どうも、ひのきですm(*_ _)m
今回はこちら、府中市にある小野神社です
え? どこそれ? って感じですよね
おっ!? と思った方は玄人ですw
・御祭神については長くなるので後述します
・武蔵国一之宮である多摩市の小野神社については明日の記事にします
府中市にあるこちらの小野神社は京王線の中河原という駅から暫く歩いたところ、閑静な住宅街の中に公園と共に静かに鎮座しています
なかなか広い境内に立派な社殿
大きな欅を始めとした緑に囲まれ、春の陽気の中、鶯が恋の囀りを響かせています
公園が隣接しているにも関わらず境内の中にも遊具が置かれているなど、ザ・住宅地の中の神社! といった感じで地域に愛されている氏神様の見本のような神社です
ただし、ごくありふれた見た目であるにも関わらず、なぜか雰囲気の違いを感じるのです(勿論、写真からでは伝わらないと思いますが…)
なんだかとても身が引き締まるというか、でも気持ちはストンと落ち着くという不思議な感覚
失礼ですが、見た目や規模からしても特に変わったところがある訳でも無いのです
何に惹き付けられているのか自分でもわかりません
ご挨拶をするとそれまで静かだった風がすーっと優しく包み込んでくれました
平日の午前中、晴れ渡った空からは暖かな陽光降り注ぎ、ほぼ風もなく鶯の鳴き声が心地好く響き、だーれも来ない、あぁなんて長閑なんでしょう
なのにどこから来るのか、この深い感覚
ダイビングでふっと全身の力を抜き中性浮力に身を任せている時のような感じです(やったことない人に伝わらないw)
えと、浮き上がりもせず沈みもせず、ただ波の揺らめきに身を任せているだけ、ただし常に感じる水圧と目に見えない波の力、そしてどこまでも拡がる広い海にどこか一抹の緊張が残る、そんな感じです
その感覚の主は拝殿の裏でした
色褪せた朱色の瑞垣と立派な屋根に守られたお社、本殿の前には門(神事用の屋根?)も見えます
裏からは切り株となった御神木があります
私には特別な何かを見たり感じたりする力はありませんが、それでも、この周りの空気が違っていた気がします
ゆったりとした時間が流れていてとても居心地が良い
神社において神様(御神体)がいらっしゃるのは本殿なのでその周囲の方がエネルギーを感じる(気がする)のは当然のことなのですが、ここまで居心地良く感じることはなかなかありません
これは春の陽気と鶯のお陰なのかもしれませんね
そう、来た時からずっと居てくれる鶯は私に間近で見られていても本殿周りを移動するだけなので久しぶりに鶯色の姿と素敵な声を堪能させてもらいました
御祭神である瀬織津比売命についての先入観が少しだけあったとはいえ、これまで訪れたこの規模の神社の中では群を抜いた感覚です
でも、どうなんでしょう、今となっては分かりませんが、御祭神の事を知らぬままこちらの神社に来たとしたら、何も感じなかったかもしれません
ヒトとはそんなものです
境内裏手には稲荷社があり、神社としては特に目立つとことがあるわけではありませんが、随所に歴史を感じる事が出来ました
素晴らしい雰囲気と鶯に後ろ髪を引かれましたが、多摩市へ向かうため神社を後にしました
もし、両方の小野神社を参拝される予定の方がいらっしゃいましたら、こちらの府中を先に回られることをオススメします
理由はただひとつ
一之宮を先に訪れてしまうと、規模の違いという先入観が邪魔をするからです
境内の広さ、鳥居、随神門、拝殿の迫力、本殿から溢れる力、末社の豪華さ、そして武蔵国一之宮という格式に圧倒された後こちらを参拝して本来の感覚を保つのはとても難しい気がします
この日、一之宮を先に回る予定だったのを直前に府中へ変更したのは、次の予定へ向かうのに各駅しか止まらない中河原よりも特急に乗れる聖蹟桜ヶ丘駅から帰りたかったからですがw
が、この選択は正解でした( ・ᴗ・ )b
さて、例のように先に御祭神だけは調べたものの(それも軽く)その背景や歴史は参拝後に調べるという性質を持っております故、小野神社(御祭神)についてもいつものように後から調べてるとこれまた見事に深~いものでした
神社巡りを始めると、学生の頃以下に歴史をサボっていたかを痛感致します、はい………では進めましょう
小野神社の創建はなんと、安寧天皇18年、と伝えられています
え?天皇の名前が年号? そう、不勉強な私の常識では、元号は645年、大化の改新!
ですが、初代天皇である神武天皇が即位した年から皇紀が始まっていたのです、それが〇〇天皇〇〇年!(知らなかった~(>_<) )
つまり、安寧天皇18年ってのは紀元前531年ってことになるのかな………えっ!?( ºΔº )ポカーン
めーーーちゃーーーめーーーちゃーーー古い!(汗)
再建を繰り返されているのは当然としても、さすがにそこまでの歴史があるとは思いもしませんでした、反省
ん? あぁ………そうか………あの感覚の正体はそういうことだったのかもしれないナァ………
ではなぜ多摩川を挟んですぐ近くに同じ由緒の小野神社が二社もあるのか
その理由には地形が関係していると言われており、川の氾濫などによって遷座(分祀)された結果だとされています
どちらが本社なのかははっきりしておらず、もしかしたら実はこちらが本社だったかもしれませんし、被害を避けるため川のどちら側へ遷座するかで揉めた末に両方に建てられた、つまりどちらも本社扱いだったという可能性など色々想像が膨らみます
個人的には、こちらの府中が本社であり、氾濫によって住民が安全な土地へと移住すると共に遷座したのが多摩、この地に留まり続けた人々がそのまま大切に祀ってきたのがこの小野宮という説が最もなように感じます
現在の地図を見ると、どう考えても多摩の方が川に近いのですが古来の多摩川はさらに北を流れており、現在の中河原が多摩川の南側に位置していたそうです
また、府中の近辺に小野宮という名前(地域名)が残っているのに対し、多摩の方は一ノ宮、つまり後から付された格式が地名に採用されているからです(元はどちらも小野宮だったのが格式の方を採用して多摩の方が一ノ宮に変えた可能性も考えられます)
勿論、だからといって一之宮の格式や満ち満ちたエネルギーが嘘だというわけではありません
一之宮にはその格式と信仰に見合うだけの凄い迫力がありましたし、また何度でも訪れたいと思う素晴らしい神社でした(詳しくは明日の記事にて)
時代の流れ、という単純な言葉で片付ける問題では無いかもしれませんが、まさにその通りだと感じます
歴史があってこそ、今の府中、今の多摩があるわけで、どちらが上下というのではないと考えます
小野神社を参拝される際は、ご都合が許されるならば是非、府中も訪れて頂き、その歴史に想いを馳せていてだければ、と思います
さて、こちらに祀られる二柱の御祭神です
まず、天下春命(アメノシタハルノミコト)が武蔵国を開墾した神の祖神として祀られています
饒速日命に従った神で天表春命(アメノウワハルノミコト)と兄弟または同一神だとも言われています
この地を拓いた无謝志国造が祖先を祀ったのがこの小野神社の始まりのようですね
そしてもうひと柱の御祭神が、瀬織津比売命です
こちらの神様が凄かった(>_<)
余りに多説で様々な角度から分析想像されていますが、私の腑に落ちた説を採用していきます
大祓等の神事だけでなく神社によっては毎朝奏上されているという大祓詞、拝殿などに参拝者へ向けて掲示されていて『祓い給い清め給え~』の完全版のようなものですが、なんとこの中に瀬織津比売の名が出てきます
我々が生きる中でうっかりと犯してしまう罪、それを滝の中にいらっしゃる瀬織津比売様が全て大海原へと押し流してくれる、とされています
なんて素晴らしい神様でしょう!
この滝の中に居て罪を海へ流すということから、水を司る神、諸悪を祓う神、また安全航海や豊穣の神とされているようです
小野神社にあっては瀬織津比売を祀るために多摩川沿いを選んだのか、はたまた多摩川の氾濫を鎮めるために後から祀ったのか、川との繋がりが分かった気がします
これほど素晴らしい神様なのに祀られている神社は数少なく、記紀にもその名は出てきません
一説によると、瀬織津比売は天照大御神の荒御魂(つまり御同神)であるとも言われており曾て伊勢神宮で天照大御神と並び祀られていたほどです
勅令まで出され瀬織津比売を祀る神社は御祭神を変更させたこともあるそうなのですが、それには何か時の権力者にとって都合の悪い事があったようですね
この辺りは権力的なアレコレが絡んでいるでしょうし、実は瀬織津比売は天照の后で天照を女神とする為に隠されたなんて話も会っだりするようです
まっ、今起きてる事や10年前そこらのことでさえ上手く隠され誤魔化されたら真実なんて闇の中ですし、文字を書いたり遺したりする事が一部の人にしか出来なかった時代、それが少なくとも2680年以上前の出来事なんですよ
事実かどうかって事より、そんな話が遺されてるだけですっごいと思うんです!
そして、真実が分からないから事あーだこーだと想像出来るのがまた楽しいんですよねー(⌒﹣⌒)
ちなみに、歴史から葬り去られそうになった(?)瀬織津比売ですが、勅令により御祭神の変更を余儀なくされた神社の中には、本当に御祭神を別柱へと代えた所もあるでしょうが、名前を変え別神のように見せかけて実は瀬織津比売を祭り続けたところもあるようです
この説により、豊受大神や稲荷大神、弁財天、木花咲耶姫、菊理媛、等々も同神説があるようです
うーーーん、奥が深い!
というわけで皆さん! 突然ですが、明日は今年一番の最強開運日とされています!
ちょっとお近くの神社へ、如何ですか? いや?そこまでしなくても、ちょっと空を見上げたり山や川や海を眺めてひと息、なんてことでもしてみては如何でしょうか(⌒﹣⌒)
明日は武蔵国一之宮 小野神社の記事をアップします